2018年9月20日 (木)

絶対に、カメラを止めるな!

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 映画愛、現場愛にあふれた傑作です。 今年いちばんかも。上田慎一郎監督の『カメラを止めるな!』。とんでももない発想を見事にまとめた構成の妙、手持ちカメラのブレを活かした撮影、緊張とユーモアのバランス。こんなに面白い映画を観たのは何年ぶりでしょうか。

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 血まみれホラー+ドタバタコメディ+業界のパロディ+家族の情愛劇。ネタバレになるので詳しくは述べませんが、いろんなエッセンスがぎっしり詰まった想像を絶するエンターテインメントです。あっという間に時間は経って、身体的にも、感覚的にも、理性的にもリフレッシュされる。

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 ポスターに書かれたキャッチフレーズが、この作品のキモをうまく表現している。「最後まで席を立つな。この映画は二度はじまる。」 ま、その意味は見た後でないとわかりませんが。こんなチャレンジングな映画がよく製作できたな、と感心するとともに、監督・脚本の上田慎一郎さんに大拍手です。

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2018年9月17日 (月)

今も新鮮!過去の名作

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    越後妻有 大地の芸術祭。3年ごとの開催だけど、過去の名作がたくさん残されていて今も感動を与えてくれる。しかも3年ごとにその数は増え続ける。開催期間が過ぎれば終わり、という展覧会とはそこが違う。この地に「残る」ということが、まさに大地の芸術祭のキモ! 春や秋にもまたアート鑑賞に訪れたい、と思わせる魅力があるから。アートが越後妻有の地域おこしに貢献していると言われるゆえんだ。

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 たとえば松代のイリヤ&エミリア・カバコフによる「棚田」(2000年)。伝統的な稲作の情景を詠んだテキストと農作業をする人々の彫刻が、棚田を背景に浮かび上がる。鞍掛純一+日本大学芸術学部彫刻コース有志による「脱皮する家」(2006年)は、空き家になった古民家の壁も床も柱も天井の梁も階段も、延べ三千人が彫刻刀で彫ってまるごと作品に。手仕事のパワーに圧倒されます。

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 カサグランデ&リンターラ建築事務所が中里エリアに創った「ポチョムキン」(2003年)は、釜川の土手に建つ万里の長城のようなコールテン鋼の壁。長年ゴミが不法投棄されていた場所を、ブランコやあずまやが並ぶ迷路のような公園にしました。いい色にサビが出て時間が経ってますます趣深くなっている。

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 まつだい農舞台と駅の間には草間彌生の「花咲ける妻有」(2003年)が。色鮮やかに咲き誇る巨大作品で、たくましい生命力にあふれています。この作品は雪景色のなかで見るのもいいそうです。3年にいちどの真夏の芸術祭はもう閉幕ですが、期間以外の空いているときにゆっくり巡るのもいいかも。ジェームズ・タレルの「光の館」など泊まれるアート作品もいくつかありますから。

大地の芸術祭
越後妻有アートトリエンナーレ2018

2018年7月29日(日)~9月17日(月)
新潟県十日町市・津南町

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2018年9月14日 (金)

キナーレにエルリッヒの新作

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 この写真、どこかヘンだと思いませんか? リーフレットに載っているレアンドロ・エルリッヒの新作「Palimpsest:空の池」の写真です。ここは大地の芸術祭の拠点、越後妻有里山現代美術館「キナーレ」。中庭の大きな池を回廊がぐるっと取り囲む原広司の設計です。

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 空や建物の水面への映り込みが不自然ですよね。北斎の逆さ富士と同じく、うっかりすると見逃がしそうですが。柱の影が途中で折れ曲がったり、ブレたように二重に見えたり、位置を少し変えるだけで映る像が変化する。水面は単なる鏡のはずなのに。

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 じつはコレ、池の底にタイルで青空や柱が描かれた作品なのです。巧妙なだまし絵。2階のある一点から見るときだけ、キレイにだまし絵と現実が重なる。虚像と実像が一致する仕掛け。この池に入ることもでき、子どもたちが楽しそうに水遊びをしていました。

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 6年前にこの中庭で「No Man's Land」という巨大なインスタレーションで感動を与えてくれたクリスチャン・ボルタンスキー。2006年から旧東川小学校全体で展開している「最後の教室」に、新作「影の劇場」を追加した。瀬戸内でも収集している心臓の鼓動音が鳴り響く校内。生命の響きとドクロや死神など死のイメージが加わって、さらに象徴性が増したように思います。

大地の芸術祭
越後妻有アートトリエンナーレ2018

2018年7月29日(日)~9月17日(月)
新潟県十日町市・津南町

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