2019年6月15日 (土)

ん⁉ これは気になる木です

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 え、この時期にこんな白い花? 何だろう? 兵庫県の三木市。田園地帯をクルマで走っていたら、見たこともない街路樹がずらっと並んでいる。幹の上に入道雲か綿菓子をのっけたような不思議な姿。日本の木じゃないのか? いろいろ調べてみたけどわからない。この道路は県道なので、兵庫県の道路を管理している部署に電話をして教えていただきました。

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 この木はメラレウカ・リナリフォリア。オーストラリア原産の常緑樹でフトモモ科メラレウカ属の植物だそうだ。英語ではスノー・イン・サマー。そう言えば樹冠一面に雪をかぶったようです。初夏の雪景色! フトモモ科はすべて木本で3000種ほどあるという。ユーカリやグアバやフェイジョア、香辛料の丁子(クローブ)やオールスパイスもフトモモ科。わりと暮らしに身近な植物でもあるのです。 

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 ちょっと寄り道ですが、フトモモ科という名称もまた気になりませんか。フトモモ科の植物は世界の熱帯、亜熱帯に分布。特に東南アジアからオーストラリアにかけて多いという。その名前は身体の太ももとは関係なく、中国名「プータオ・プータウ(蒲桃)」が沖縄方言で「フートー」となり「フトモモ」となったという。少し期待ハズレで残念な気もしますが・・・。

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 幹もド迫力のユニークさ。白い綿毛か羽毛のような柔らかな花とは対照的に荒々しい。盆栽の真柏の老木のように樹皮がめくれている、と思って見ていた。でも調べるうちに、その剝がれ具合はユーカリにそっくりだ!と納得。しかも堅そうなその樹皮は指で押すとスポンジのようにへこむらしい。そして針状の細い葉を多数つけるけれど針葉樹ではない。世界にはいろんな植物があるものだ。

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 この前の土日にでも作業されたのでしょうか、ちょうど田植えが終わったばかりの田んぼが広がる。聞けばこの辺りは、かの有名な山田錦の産地。ここに植えてあるのも酒米の王さま山田錦だそうだ。どこにでもある普通の田んぼがありがたく見えてきました。稲穂が黄金色に色づいた時期にも見に来たいもの。その時メラレウカ・リナリフォリアがどのように見えているか楽しみです。

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2019年6月12日 (水)

伝説のファッションデザイナー?

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 ダイアナ妃やサッチャー首相、スウェーデンのシルビア王妃などのためにイブニングドレスを作ってきた鳥丸軍雪 GNYUKI TORIMARU。英国オートクチュール界に大きなインパクトを与えてきたトップデザイナーです。1937年、宮崎県生まれ。59年に日本を出て、ロンドンカレッジ・オブ・ファッションで学ぶ。ピエール・カルダンのアシスタントデザイナーを務めたあと独立。シンプルで洗練された独自のスタイルで作品を発表し、国際的な評価を獲得したスゴイ人なのです。

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 軍雪(ぐんゆき)という珍しい名前からとった、YUKIというブランド名でセレブを魅了。類まれな感性と高度なテクニックで誰もマネできない世界まで到達した鳥丸。やわらかい布を垂らせて流れるような優美なひだを生むドレープの手法で、「ドレープの魔術師」とか「絹の彫刻家」と呼ばれてきた。今回はドレープやプリーツを駆使した代表作を中心に、デザイン画なども含め約80点を展示している。


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 独創的な布のカット、動きに連れて繊細に揺れる美。予想以上のすばらしさです。要素をできるだけ減らしたシンプルなデザインながら、優美さと気品を兼ね備えた完璧なアートです。ただし芸術作品のような服って着る人も選ぶでしょうね。でもオートクチュールだから、着る人それぞれに合わせてデザインも考えてもらえるでしょうから大丈夫か。とかなんとか、何が大丈夫なんだか⁉

伝説のファッションデザイナー
鳥丸軍雪 展
2019年4月13日(土)~6月23日(日)
神戸ファッション美術館

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2019年6月 9日 (日)

F.L.ライトのディテール

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 芦屋の丘の上、ゆるやかな南斜面に建つヨドコウ迎賓館(旧山村家住宅)へ行ってきました。桜正宗の8代目 山邑太左衛門から依頼を受け、1918年にライトが設計した傑作住宅。弟子の遠藤新や南信によって竣工されたのは、ライトが帰国後の1924年のこと。「自然と建築の融合」という理想を追求し続けた巨匠の「らしさ」が詰まっている。

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 1階は車寄せと玄関。2階に市街地を眺望する応接室。3階は畳敷きの和室や寝室など。4階に食堂と厨房。そして広い屋上バルコニーからは六甲の山並みと大阪湾が一望できる。丘の自然な傾斜を生かした階層の配置。自然光をうまく取り入れ、風の通りを考え、快適に暮らすためのさまざまな工夫。その後の住宅建築に多大な影響を与えた。

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 このころのライトの建築は直線で構成された幾何学的な美しさが際立っていた。旧帝国ホテル(現在 玄関部分が明治村で保存)や自由学園と同じく、伸びやかな水平方向のラインを基本に、リズミカルな縦の線が交わる。これらはデザイン面だけではなく、構造的にも優れていて建築物としての十分な強度を保証した。それは関東大震災に遭った帝国ホテルの無事で証明されたのです。

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 ライト建築で使われる素材で特徴的なのは石や木や鉄や銅。日本での建築で特に愛用したのが大谷石。うっすら緑がかった薄茶色で、多孔質の独特な風合いが美しい。栃木県で採掘されていた軽石凝灰岩で、柔らかく加工しやすいため柱にも幾何学的な文様を彫刻してよく使っている。それは屋外に限らず、屋内でも。木の棚や家具も、建築的なデザインが秀逸です。

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 テーブル、椅子、違い棚、照明器具なども独自にデザイン。また施主の希望だったのでしょう、畳敷きの和室もありますが、明り取りの窓や欄間、ふすまの取っ手金具などもこの邸宅用にデザインされている。日本の伝統を尊重しながらも、独自の美意識を発揮している。細部までこだわるライトの面目躍如です。保存修理工事が終わってから初めての訪問。また新たな発見がありました。

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