2020年2月15日 (土)

アジアへの第一歩だ

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 元旦に天皇賞を初制覇したヴィッセル神戸。2月12日、晴れてACLアジア・チャンピオンズリーグの本戦からスタートしました。第一戦は地元ノエビアスタジアムでマレーシアリーグ6連覇中のジョホール・ダルル・タクジムと。アジアの舞台は初めてながら、5対1で快勝。予想以上にいいスタートがきれました。

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 小川慶治朗がハットトリック。古橋とドウグラスが1点ずつ。イニエスタがさすがの2アシスト。酒井高徳やフェルマーレンが格の違いを見せて圧倒しました。入場数が8,000人に満たないのは少し寂しい気もしましたが、駆け付けたファンは大満足。ビールもおいしい。この強さが普通になるよう、しっかりやってほしいですね。

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 一次リーグは各組2位までが決勝トーナメントに進む。幸先の良い出足だ。経営母体の楽天はアジアにも進出し、ビジネスの基盤を確立したいと考えているはずだから、ヴィッセルが先兵となってRakutenの知名度が高まるのは狙い通りか。最近は送料の無料化問題で公取から目をつけられていた三木谷さんも、ちょっとうれしい日だったに違いない。さぁ、めざせ!アジアの頂上。

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2020年2月11日 (火)

日本の美学で演出、蝶々夫人

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 今回のMETライブビューイングは、2019年11月9日に上演されたプッチーニの『蝶々夫人』。ミラノのスカラ座で1904年に初演された異国情緒にあふれたこのオペラ、一途な愛に生きる凛とした日本人女性と気ままで軽薄なアメリカ人男性にまつわる悲劇です。この設定は原作小説のものですが、当時の欧米社会の東洋趣味とアジア蔑視の感情が下敷きにあるは確か。でもそれはプッチーニのせいではなく、物語が作られた時代の反映でしょう。

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 演出は映画『イングリッシュ・ペイシェント』を監督した故アンソニー・ミンゲラ。2006年の初演からMETで何度も上演されている名舞台です。障子やふすま、提灯などを使って「省略」を極めたシンプルな舞台美術。音楽のない出だしや効果的な照明。幻想と現実が入り混じった見事な演出で、歌舞伎より能に近い世界を生み出している。ミニマルでいて多くを語る。豊かなイメージが膨らむ。侘茶や禅に通じる日本文化をよく研究していると感心しました。

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 生身の子役よりピュアな存在感を醸し出す文楽風の人形や黒衣の活躍も印象的。エンディングには筆で書いた「蝶々夫人」のタイトルが舞台の背景に大きく映し出される。予定されていたキャスティングからピンカートン役と領事役が交代となったけれど、どの出演者も熱演でした。なかでも素晴らしかったのが「スズキ」を演じたエリザベス・ドゥショング。難しい役どころを微妙な心理まで繊細に演じ分けていた。このオペラはコスチュームが多少ヘンでも、余りあるおもしろさ。期待を大きく上回る公演でした。

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2020年2月 8日 (土)

ゴッホ、修行と先取りと

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 わずか10年の活動で、約850点もの油彩画を描いたゴッホ。短い時間での多作ぶりもスゴイが、短い期間での作風の変貌ぶりもスゴイ。初期はハーグ派の影響を受けて、茶色やグレーを基調にした地味な色合いで田園風景や貧しい農民の生活を描いている。バルビゾン派のジャン=フランソワ・ミレーに触発された作品も多い。今回25点見られる修行時代の作品は、ちっともゴッホらしくないけれど、世界の見方を形作る背骨になっているのでしょう。

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 一方、死の前年に描いたこの松の絵はセザンヌを思わせる。20世紀絵画を先取りした作品だ。構図はゴッホが愛した浮世絵の影響でしょう。ゴッホ以前とゴッホ以後に続く道。誰もが見知っている「これぞゴッホ」のアルル時代、それらの作品以外、いわば「らしくないゴッホ」が充実しているのが、この展覧会の特徴。このところ毎年のように開催されっるゴッホ展とは違いがそこにある。

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 ゴッホの40数点に、彼に影響を与えたハーグ派や印象派の画家の作品を合わせて80数点。クレラー=ミュラー美術館やハーグ美術館のほかにモナコ王宮コレクションやP.&N.デ・ブール財団、イスラエル博物館やワシントン・ナショナル・ギャラリーなどが所蔵する、目にすることが少ない作品が集められている。この展覧会を見た感想は「らしくない」作品も含めてゴッホの真実の姿だということ。変貌を恐れず進化し続ける精神こそがゴッホなのだ。

ゴッホ展
2020年1月25日(土)~3月29日(日)
兵庫県立美術館

 

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